-start-

貴方は、本当に変わらないな。

華奢な身体に、元気よく跳ねた柔らかな髪。
そして何より、
優しい、優しい、笑顔。

気付けば、好きになっていた。
もちろん、今も大好き。そしてきっとこれからも、ずっと、好き。

だからこれは、

「お久しぶりです、若きボンゴレ10代目」

「……あーぁ、ランボ、また来ちゃったのか……」

きっと貴方への、2度目の、恋。


-2minutes-

「……今日はやけに、シックにキメてるね」

かれのトレードマークとも言える柄シャツは影を潜めて、まっさらなシャツに、
黒の、スーツ。

「ええ、今日は」
クスリ、と笑う。

「とても、とても大切な日なので」
そっと、左胸の辺りに手を当てる。

そんなキザな仕草も、彼がやると嫌味にならない。
でも、何だろう。
(今日のランボ……)
いつもと、何かが、違う。

-3minutes-

「そうだ、」

彼は自分のスーツのポケットにさされた、一輪の花を取り出す。

「これを、親愛なる、若きボンゴレ10代目に」

淡く、白い、繊細な花。
貴方が、綺麗だね、でもどこか儚くて物寂しげに見えるよ、といつも優しく見つ
めていた花。

「……え? いいの? 俺がもらって」

「ええ、」
「でもこれ、誰かに渡すつもりでいたんじゃ」

「いいんです」

今日という日に此処に来れたこと、きっと偶然じゃないから。

きっとこれが、今の貴方が望む事なのだろう。

「……そっか、じゃあ、えっと……」

ニッコリ、というよりは、どこかはにかみながら。

「ありがとう、かな」

(……あ、)

笑った。貴方が、笑った。

今はもう、決して笑うことのない、貴方が。

(笑った、)

涙が、流れた。

-4minutes-

「ラ、ランボ?どうしたの?」

泣いてる。
いつもは大きな声を上げて泣く子供が、静かに、静かに泣いている。

そっと、彼に伸ばした手は、しっかりと掴まれて、

「わ、」

そのままぎゅっと、抱きしめられる。
(……大きな、手。)
自分よりも、頭一つ伸びた身長。10年という時間の流れをひしひしと感じる。

「……ランボ?」

泣き止みそうにない背中を、そっと、叩く。

「……ツナ、さん」
鳴咽を繰り返しながら、絞り出すような、彼の、声。

「……うん?」

「……10年前の、俺のこと、うんと、うんと可愛がってやって下さい」
 きっと、迷惑ばかりかけてしまうけど。

たくさん、たくさん、笑いかけてやって下さい。
俺の記憶の中の貴方は、いつも優しく笑ってくれる。

その笑顔で、俺の思い出を、満たして下さい。

「……ツナさん」
その華奢な身体に、力を込める。

暖かい。
冷たくなってしまった貴方を抱きしめた時には、伝えることができなかった。
どうか、俺の思いが、しっかりと届きますように。

-5minutes-

「好き、です」


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